たっかーずめもりある

とあるおっさんの備忘録

インドシナ旅行記 第6話

インドカレーの逆襲
さて、一人旅となって何かアクティブなことをやろう!って思ってもここは香港、文明オブ文明である。チェンマイ時のように奇想天外なことはできない…
宿で放映している抗日ドラマも役者の演技がオーバーすぎるし、そもそも和訳とかないのですぐに飽きてしまう。いやいや日本軍人超スペックすぎですやん。

↑抗日ドラマ。さすがの中国中央電視台(CCTV)作。面白くないこともない。

文明の中でもなんとかワクワクしたい!とスリルを求めて重慶大厦(チョンキンマンション)と呼ばれる建物に突撃をかける。この建物、言ってしまえばプチ九龍城砦みたいなものである。本家九龍城砦が消滅した今、香港で最もカオスなところらしい。なお沢木耕太郎深夜特急の中にも登場するので興味のある方は是非。かるーく調べたところ昔は麻薬、売春、殺人などの温床だったらしい。あらやだわぁ。

百聞は一見にしかず、実際入ってみると…
まぁ、雑居ビルですね
確かに夜中に来ると人の1人や2人死んでそうな雰囲気はあるが許容範囲内だろう。このビルのゲストハウスに泊まらなかったことを後悔した…。
なお後日泊まった人にあったが、刺されたらしい。
ダニにやけど。


↑かつては香港中の闇の溜まり場として名を馳せた重慶大厦。

このビル、5つのビルが内部で連結しているという非常にややこしい構造をしている。大阪駅前第1-4ビルを想像すると分かりやすいかも。
そんなややこしい建物の中には両替所が腐るほどある。20-30店舗はあるのではないか。もちろん建物の奥底に行くに連れてレートは良くなるのだが、奥底まで辿り着こうとする気力がある奴はそうそういないだろうし、そもそもこんなビルで両替しようとする奴は頭のネジが吹っ飛んでる。
また、このビルは意外なことに中華系ではなく、アフリカ系とインド系の住民が多数を占める。
よってこのビルの名物はカレー
香港なのに。

なので郷に入れば郷に従え、カレーを食すことに。
ビルの奥にあるボロボロのエレベーターに乗り7階へ。扉が開くと薄暗い通路を挟みをカレー屋が。
なぜか店内が真っピンク
これは無意識に足が風俗店に向いてしまったか?と思ったが、壁に描かれているのは紛れもなくカレー。仕方ないので入店するも、もちろんというか何というか店には誰もいない。
本日最初の生贄を見つけた虎のごとく駆けつけたインド人店員に有無を言わさずテーブル席に案内…もとい座らされて注文を取られる。
本場インドカレーはアホ辛いということは重々承知していたので念のため確認。
カレー、スパイシー?スパイシー、ノー。マイルド、プリーズ。

店員「マイルドオッケー!」

ゴトンと置かれるライスとルー。店内の怪しい照明が誤魔化しているが明らかに赤い。
いやでも店員さんマイルドオッケー言うたし!僕は彼を信じます!

…辛いです。
バーモンドカレー中辛組の僕にはインドカレーのマイルドですら辛すぎた。
カバンの中に忍ばせておいた香港版おーいお茶が焼けた喉を潤すが所詮は焼け石に水。口の中が辛いを通り越してもはや痛い。ビームでそう。涙目で苦しむ僕に対して店員はやたら「うんうん、分かってるで。辛かったな」的な微笑みを浮かべて背中を撫でてくれたがマイルド言うたやんか。

↑インド人曰くマイルドな某カレー。いろいろ色が怪しいのは店内の照明のせい

案の定腹を壊す。もはや既定路線であったかのような胃腸のジェットコースター。ハロートイレ、また会ったね!
せっかくの香港最終日がカレーのせいで台無しである。本場の高い香港料理食わなかった罰でも食らったのか。こいつのせいで気力が萎え萎えである。九龍公園のベンチでヒィヒィ言いながら死にかけている僕はさぞマヌケに見えたことだろう。
まぁ今日の出来事で実感したのは見たものを信じるな、ということである。ちゃんと確かめないとダメやで。

↑適当に香港の路地裏をパシャリ。雨降ったら大変そう。

さて今日で香港を終えりなので電車に乗って再び香港国際空港へ。車内も駅もめっちゃ綺麗だし改めて文明の偉大さを知る。とはいえ乗り心地はあまり良くない。新快速よりは揺れている気がする。ああっ!立てかけてたバックパックが!!!

↑文明の最先端を行く駅

香港国際空港は日本人も多いとあって日系チェーン店も多い。吉野家、ファミマ、ペッパーランチ、ベントーエクスプレス…、ベントーエクスプレス!?母体はイオンらしい。せっかくなので香港料理…を食わずベントーエクスプレスに並ぶ。もちろん出てきたのは弁当。ただの弁当(1500円)なり………。
ほっかほっか亭を見習っていただきたい。

↑ベントーエクスプレス。ネーミングセンスが好き。

↑日本じゃ絶滅しかけなペッパーランチも香港の地ではここではしぶとく生き残っていた

エアアジアに乗り込みバンコクドンムアン空港向かった訳だが、その飛行機の隣の席の方が日本人であった!しかも某企業の社長さんである。全く世界は狭いものだ。意識高い系が喜びそうなカタカナ語多めの話を3時間延々と語られたが、もちろんカケラも興味を持てない僕の目が死んでいたのは言うまでもない。何一つありがたい話を憶えてないのが良い証拠だろう。

さて、三度目のタイ入国、次はどんな冒険を僕を待ち受けているのか。乞うご期待下さい。



おまけ
↑香港で購入したアニメ雑誌。オタクの血が騒ぐが言語の壁を越えることは叶わなかった。(読めない)