たっかーずめもりある

とあるおっさんの備忘録

インドシナ旅行記 第8話

バンコクは朝から大雨。どうやらしばらくは悪天候が続くとのこと。近隣のアユタヤ遺跡に行こうと考えていたが、この天気ではテンション下がること間違い無し。
どうしたものか…、と悩む僕に啓示が舞い降りる。

晴れてるところに行きゃ良くね?
あっ、そっかぁ
カンボジアに行きましょう。

当日で航空券を取れるほど世界は甘くはないので当然陸路である。まぁ、これなら移動時間で雨天を誤魔化せるだろう。

バンコクの一番の長所は交通の拠点であること。さすがインドシナの中心都市、市内の交通網は微妙だが、遠隔地へのターミナルが存在するのはありがたい。アユタヤやチェンマイパタヤへの路線が通り、カンボジアミャンマーラオス、マレーシアなどインドシナ各国に向かう国際バスも存在、そしてドンムアンとスワンナプームの2つの国際空港が諸国を結んでいる。
なるほど確かに多くの旅人が拠点として利用するのも納得。是非ともこの恩恵を享受しよう。

バンコク最大のモーチットバスターミナルへ。チェンマイもそうだが、なぜタイのバスターミナルは市街地からあんな遠いのか。基本到達手段がタクシーとかおかしくね?もちろん貧乏人は歩き。

1時間ほどバックパックを担ぎながら歩き、バスターミナルに到達。当然とばかりに英語併記はなかったが、ターミナルにいたタイ軍人に助けてもらいカンボジアへのチケットを購入
カンボジアシェムリアップまで750B(=約2500円)と非常に安い…と思われがちだが、800円ぐらいでも行く方法もあるらしい。ラーメンより安いですやん

バスはひたすら東へ。周りに広がるのはどこまでも続く農園のみ。人っ子ひとりの気配もなく、道には電灯すらない。だがこの何もない風景もタイなのだ。(バンコクに一極集中しすぎ)

↑途中の休憩所。周りにはなにもない

↑車内で出される昼食。意外といける。

5時間程でタイ=カンボジア国境へ。走行中にカンボジアビザを持ってない人は車内で申請書を書かされるが、道の舗装が悪いので文字を書くのも一苦労だろう。そして明らかなぼったくり料金である。横のイギリス人は完全にヤられており、この世の終わりのような顔をしていた。
事前にビザ取得をしておいてホッと安心。

国境前にしてバスは停車。
運転手が拙い英語で何かを説明しているがチンプンカンプン。先述のイギリス人が訳してくれる。
つまるところ、
「このバスはカンボジア側で待機しておくので、乗客は越境手続きを済ませてから、また乗り込んで下さい。遅いと置いていくので気を付けてね」
とのこと。
え、手続き遅いと置いて行かれるの?
うそん…


↑タイを出国!!!

ミャンマーの時は国境までのバスだが、今回は国境を越える直通バスのため、乗り遅れたらそこで試合終了の様子。
一旦バスを降り、商店街らしきところを抜けてボーダーへ。いや、現地人の皆さん普通に手続きスルーして往来してるんですが…。
ここでも日本のパスポートを見せると驚くほどスムーズに審査が通る。トラブルを期待しただけに拍子抜け。
横のカウンターで何やら大揉めに揉めて暴言のキャッチボールをしている中国人を余所に国境を越える。
なおその中国人がバスに戻ってくることはなかった。
置いて行くのはマジやった。

タイとカンボジアの国境だが、驚いたことにカンボジア側の方が発展している。ホテルが乱立し、なんとカジノまで存在している。
後で聞く所では、タイの高官がカンボジア側のカジノまできて「いろいろ」取引をしているらしい。くわばらくわばら。

↑タイ側から見た国境。

カンボジア側から見た国境

国境付近の街並みを見て、カンボジア案外発展してる?と思ったがいざ国境を離れると周りに広がるは湿地帯と荒地、タイに見られた農地は存在せず。時折見られる民家もボロボロでミャンマーより酷い。これがこの国の現実。

国境からさらに3時間ほどかけて目的地のシェムリアップに到着。世界的な観光都市と化したこの街は、道中では想像出来ないほど非常に発展している。アンコールワットはそれほどのものなのか。

↑駐車がヘタクソなブルジョワ大型バスのせいで立ち往生(10分くらいこのままやった)

宿のドミトリーに荷物を叩き込み、夜のシェムリアップへ。パブストリートと呼ばれるエリアを中心にブラブラ歩くが、観光客向けのクラブやバーやレストランが所狭しと並んでいる。チェンマイは観光を重視した街だったが、シェムリアップに至っては観光に完全に依存している気も……。

パブストリート。世界中の観光客がここに集まる。

パブストリート沿いのレストランでミートソーススパゲティを食べ、夕食を済ます。仕方ないやん安かったし、現地料理怖いもん。

↑レストランからパブストリート中心部を見る。

↑夕飯のミートソーススパゲティ。もちろん美味しくはない。

1人で黙々と晩御飯を食べていても何の楽しみもない。コミュ症なので宿に帰還し、仲良くなった他の宿泊客達とトランプで大富豪を行う。俺は無敵やボコボコにしてやるぜぇ、と息巻いていたらボロ負けしていた。シェムリアップ、恐ろしいところ、、、。

宿のトイレに巨大なゴキ様が大勢居たような気もするがきっと気のせいだろう。